対面営業は「対面前」に勝負すべき3つの理由(わけ)
業種はいろいろあれど、どの業種にも存在するのが営業という仕事です。
そして、営業は時にお客様と1対1で対面営業をするという場面があります。
むしろ1日中アポイントで埋め続け、対面アポイントを消化し続けるという営業スタイルの方もいらっしゃることでしょう。
実はこの対面営業、対面してから勝負を仕掛けるのでは遅すぎるケースがほとんどです。
多くの場合は、対面前に勝負をつけておいた方が良いでしょう。
ここでは、対面営業こそ対面前に勝負すべき3つの理由をご紹介していきます。
対面営業は最大のチャンスであり最大のピンチ
実は対面営業はその場で契約が取れる可能性もあるので、営業としては最大のチャンスであることが多いのです。
…が、それと同様に最大のピンチでもあります。
なぜなら対面営業の中で条件が折り合わずお客様からお断りを頂いた場合、
「その場で契約を取れず対面営業に費やした時間が全て無駄になってしまう」
という可能性もあるからです。
え?何ですか?
「営業は自分の精神鍛錬なので、頂いたご縁は全て自分の宝だ」
「無駄な営業などひとつもない」
ですか?
いやわかるんですけど、すみません。
今回はそういう話はしていないんです。
もちろん営業も失敗したことは宝ですし、そこからノウハウを積み上げていくのは重々承知ですが、今回はどうかひとつ、対面営業の前に準備が大事だという話をさせて下さい。
寄稿ライターの私をひとつ男にしてください、わかりますね。
閑話休題。
営業は対面前から始まっている
営業は対面前から始まっています。
アポイントが取れたらまずはお客様の情報収集に入りましょう。
もちろん今すぐ来てほしいという連絡がくることもあるかと思います。
ですが、実際にお会いするまでほとんどの場合は少なくとも30分以上の時間はあるのではないでしょうか。
移動中でも構いませんので、
・最低限お客様のお名前と会社名
・そしてお客様がどのようなご商売をされている方なのか
・お客様は今回どちらの経由からアポイントの打診をくださったのか
など、パブリックな情報収集はまず第一に行なっておくべきでしょう。
その上で時間があるようであれば、SNSなどの情報を確認したりして
・お客様の趣味や趣向
・何がお好きかというパーソナルな部分の営業情報
も取得しておくと良いでしょう。
特に、これからアポイントを取るお客様が過去に自分の会社とお付き合いがあったという場合は、前任の担当者などに情報をくれるように根回ししておくと良いでしょう。
対面営業は「対面前」に勝負すべき3つの理由
このように対面営業は対面する前にいくつか勝負を仕掛けておく必要があります。
これはお客様の情報を事前に収集することで、
「お客様が何を求めていらっしゃるのか」
というニーズとウォンツを探し当てることができるようになるためです。
全くニーズやウォンツのないところに自分の商材をぶつけても成約に至るというのはかなり難しいコースになります。
そのため対面する前に出来る限りお客様の情報を集めて勝負しておくに限ります。
それでは、なぜ対面前に勝負しておくと良いのでしょうか。
無駄な工数を省くことが出来る
語弊を恐れずに言えば、営業のアポイントは時間との戦いです。
そして、効率との戦いでもあります。
そのため無駄な工数は徹底的に省かなくてはなりません。
事前の情報収集があれば「1度目はヒアリングをして、2回目にご提案をさせていただきます。」というような往復のやり取りが1つなくなります。
もちろん1度目はヒアリングと自己紹介のみで、2回目に本題を持ち込んだ方が良いというケースもあります。
しかし、営業の世界では早めに契約を取った方が良いという場面がほとんどのため、もし可能であれば1発で契約が取れるに越したことはありません。
事前の情報収集があれば、お客様に提案できる内容もいくつかシミュレーションすることができます。
そのどれかが当てればよいわけですから、事前の情報収集により無駄な工数を省くことができるというわけです。
もちろんお客様がどのようなご希望をなさっても柔軟に対応できるように、出来る限りの準備はしておきましょう。
例えば、
・申込書や契約書は出来る限り複数用意しておく
・社内での手続き調整が必要な場合、まずは写真やFAXなどで書類を送付し社内の事務方にお願いして即座にお客様にレスポンスができるような体制を構築しておく
というのも忘れてはなりません。
お客様に安心していただける
事前の情報収集があると、お客様は一から事情を説明しなければならないと言う圧迫感や煩わしさから解放されます。
そして「この人は打てば響くように反応してくれるし、1話せば10理解してくれる」ということで営業マンとして信頼してくれるようになります。
実は商品が優れているから購入するという契約動機はあまり多くはないのが実情で、実際には営業マンが気に入ったから購入したというケースもよくあります。
このように、お客様に安心し信頼していただくためにも、事前の情報収集はマストと言ってよいでしょう。
間違った情報伝達を防ぐことができる
アポイントに来てくださるお客様は、ご契約者様ご本人様ではないというケースもあります。
当然ですが、BtoBのアポイントの場合は先方から担当者の方がいらっしゃいますが、その方が議決権を持っていたり稟議において権限を持っているというケースはあまり多くはありません。
一度お互いに会社に持ち帰り稟議を通してから正式な契約をするというケースもあることでしょう。
ここで注意したいのは、初めて対面した時にゼロベースで話し合いとなると、
「こちらからお伝えした情報が100%正しく相手先に伝わるとは限らない」ということです。
アポイントの時間は1回1時間程度が限界でしょう。
その限られた時間の中で、
・契約に関するレギュレーション
・契約書の締結に関する詳細の打ち合わせ
・今後のスケジュールの打ち合わせ
・そして商品特性の説明やベネフィットの説明
など調整していく内容を逆算し考えていくと、それぞれに取ることができる時間は必ずしも多くはないということがわかります。
こうなると、いきなり多くの情報を与えられたお客様は伝言ゲームのような内容を会社に持ち帰って行わなくてはならなくなります。
単純な伝言ゲームでさえ情報の伝達に行き違いが出てくるのですから、ビジネスの現場では細かい情報は事前に小分けにして共有しておく方が良いでしょう。
これによりできる限り正しい情報伝達を行い、
「そんな話なら今回は契約しないとうちの社長が言ってておりまして、はあ、すみません」
といった最悪の状況を避けることができるようになります。
まとめ
このように対面営業は対面する前に情報収集を含めてきちんと勝負をかけていく必要があります。
これは自分の利益のためのみならずお客様のためでもあります。
そして、ひいては自分が所属する会社のためにもなる、というわけです。
いきなりゼロベースでアポイントから始まる営業をかけてしまうと様々な弊害を生み出すことがあるので、可能な限りという枕詞はつきますが、対面前に出来る限りの行動を起こしましょう。
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