出来る営業マンが持つ「営業しない勇気」とは
かつて、とある世界的に有名なIT社長が言いました。
「『何をするか』が重要なのではなく『何をしないか』が重要」
と。
そして、出来る営業マンはこの辺りのことをきちんとわきまえています。
つまり、営業するだけが営業マンの仕事ではないということを理解しているのです。
意味が分かりませんね。
ここでは出来る営業マンが行う、あえて営業しない営業術の極意をご紹介します。
営業マンの仕事は組織に利益を出すこと
突然ですが、ここでクイズタイムです。
営業マンの仕事は何でしょう?
1.お客様のご要望を伺い、出来る限り希望を叶えられるように努力する
2.お客様のビジネスやご商売が発展するように貢献し、情報などもきちんとお客様に提供する
3.朝から晩までロイ○ルホストの看板を回す
4.絶えず自分の会社の利益を考える
どれも正解ですが、やはり1番大きな仕事は組織に利益を残すことと言えるでしょう。
もちろんお客様第一ですからお客様の利益も考えなければなりませんが、結局は所属している会社の利益を出すというところに主眼を置かなくては営業マンとは言えません。
ああ、失礼いたしました。
朝から晩までロイ○ルホストの看板を回すのは、筆者の学生時代のアルバイトでした。
利益は健全な稼働状態から生まれる
営業マンが仕事を取ってきてお客様からそのお代金を頂戴することで会社は回っていきます。
もう少し突き詰めて表現すると、お客様から頂戴したお代金はビジネスの原価や人件費、その他様々な部分で必要経費が差し引かれ残ったものが純利益となります。
何が言いたいかと言うと、利益というのはこのようにきちんとビジネスが回り健全な稼働状態から生まれてくるものなのです。
仮に、この営業の中で何かトラブルがあって余計に処理や手間が発生してしまった場合、突き詰めて考えれば追加の人件費がかかることになります。そうなると会社の利益も健全なものとは言えなくなってしまいますよね。
つまり営業マンというのは、あくまでもきちんとビジネスを遂行することができるお客様を獲得してくること、というわけです。
察しの良い賢明な読者諸氏はもう筆者が何を言いたいかお分かりかもしれません。
出来る営業マンは「営業しないこと」を知っている
結論から言いましょう。
出来る営業マンは営業しないということを知っています。
つまり撤退をする勇気を持っている、というわけです。
例えば、無理やりゴリ押しすれば契約が取れそうな案件はあるものの、なんとなくクレームの地雷原のような気がしていてちょっと気が乗らないという営業の案件もあることでしょう。
しかし、目の前にぶら下がっているチャンスや売上を考えるとこれは取ってしまわなくてはならないだろうと営業を取ることがあります。
これは本当に残念ですが、一流の営業マンとは言えません。
なぜなら契約後にクレームやトラブルのリスクがあることをわかっていて営業を取るのですから、当然のことですがこういったお客様は肌感覚で8割くらいの確率でトラブルを起こします。
かなり高確率でトラブルが発生するため、逆にクレームやトラブルがないという状況の方が珍しい状況です。
また、時には重大なクレーム案件に発展します。
当然のことですが、担当者である営業マンは現場に出なければなりませんし、場合によってはエスカレーションという形で上司の決裁を仰がなくてはならないケースも出てきます。
こうなるともう健全な利益とは到底言い難い状況になります。通常1日のうちに回さなくてはならない業務を全く遂行することができず、トラブル処理のために大きな時間がかかるというのも珍しくはありません。
こうなると完全に利益を失っていますので、営業を取ってきたために会社が損をしたという状況になります。
ちなみに、自営業の場合は会社のようにカバーし合えるような人材がいません。下手するとクレーム処理も全て自営業者1人で行わなくてはなりません。
こうなると3~4ヶ月は平気で事業が回っていかないというのもよくあることです。
まぁ言ってしまえば、フリーランスや社長さんの場合はトラブルが起こったら早めに弁護士を入れてしまいましょう。それが1番です。
撤退も営業のうち
このように通常のビジネスのサイクルを崩すのはお客様にしてお客様にあらず。どちらかと言うとトラブルの種でしかありません。
分かっているのだけれども、自分から地雷原に突っ込んでいくというのは営業マンとしてどうなのでしょうか。
一時的に成績はアップするかもしれませんが、その後のしっぺ返しはかなり大きなものが予想されます。
そのため、あえて案件から撤退することを知っている営業マンは出来る営業マンなのです。
目先の利益に決して惑わされることなくリスクを冷静に判断し、そして回避することができるというのが出来る営業マンの条件と言ってしまっても決して過言ではないことでしょう。
まとめ
出来る営業マンは何でもかんでも営業をまとめれば良いという意識ではなく、より確実にビジネスを遂行できるお客様のみとお取引をすると言う意識を持っていなければなりません。
少しでも会社にとって不利益を生じさせそうなお客様は、それが例えどんなに良い条件のお取引であっても撤退する勇気を持っていることが重要です。
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