保育士から学ぶ人間関係、ポイントは子供の「こうしたい!」
「本当は、こう思う。」「これがしたい!」自己主張する事は、周囲に自分の思いを言葉として伝えられたり、自尊心の強化に繋がる大切な事です。
ですが、大人になるにつれて「こう言うと、相手はこう感じるかも。」「みんなと意見を合わせたい。」「場の空気を壊したくない。」と考え、その機会は減ります。
相手の気持ちを考えられる事も、経験から得た素敵な知識です。
今回は、保育園での子ども達の自己主張、そしてそこから相手の主張に気が付いていく過程、最後に経験をもとに相手の主張と自分の主張の折り合いの付け方をお伝えしたいと思います。
「かして!」と「つかってる!」
保育園での集団生活の中で、子ども達の自己主張の始まりは『1つの玩具の取り合い』から始まります。
「使いたい。」と思うと言葉よりも先に行動となり、友達の玩具を掴み取ろうと試みます。真っすぐで、曲がらない素直な気持ちの表現です。
大抵は、引っ張り返されて、さらに魅力を増した玩具となり相手を叩いたり、噛み付くという流れとなります。痛い思いを経験し、別の伝え方を探します。
大人から「かして。」と言う方法を教わり、言葉によるやり取りで手に入れようと試みます。
「かして。」と言ってみたが、相手側から見ると、友達の欲しがる玩具に魅力を感じずにはいられません。
「つかってるから、だめ。」お互いに自分の思いを伝えたいという気持ちが原動力となり表現し、言葉による自己主張をし合うのです。
思い通りに行かない経験から相手の気持ちを知る
自己主張を繰り返していく中で、ぶつかり合いや、思い通りに行かない事を経験します。
「ここに座りたかったのに、座れなかった。」「椅子取りゲームに勝ちたかったのに、負けた。」「○○くんと、手を繋いで散歩したいのに断られた。」これは全て相手があってこその葛藤となります。
その葛藤にぶつかると、気持ちを立て直すのに時間がかかったり、泣いて何とか状況をひっくり返そうとしてみて、どうにも変わらない事を受け止めて周囲の温かい助けを借りてまた立ち上がる事が出来るのです。
そして今度は逆に「こうしたいけれど、できるかな。」「友達はどう思っているか。」と考えられるようになります。
お昼寝の時に「まだ、大きな声で話したいな。力いっぱい走りたいな。」と思っても「走ったら友達は眠れるだろうか。大きな声で話せば、隣の友達はどんな思いをするか。」と考えられるようになるのです。
受け入れ合える
上記を読んで頂くと、「結果的に、自己主張をするにあたって相手の気持ちを考慮するべきであるなら、主張出来ない事が増えるよね。」と思った方に必読です。
子ども達は、自分の主張と相手の主張のどちらも達成できる方法を考えるようになります。
「私は、○○ちゃんとおうちごっこがしたい!」「私は、お絵描きをして遊びたい。」この2つの主張を組み合わせて達成できるかを考えるようになり、「それなら、先にお絵描きを一緒にしよう。終わったらおうちごっこをしようか。」とお互いが納得できる道を探すのです。
子ども達の柔軟な発想には、大人も「なるほど。」と気が付くほどです。主張を受け入れ合う事で、信頼関係はさらに深まり、遊びも充実するのです。
まとめ
このように保育園では、子ども達が集団だからこそできる経験を通して「自分の思いを安心して伝えられる。」「友達の気持ちを考えてみる。」事が出来るようになるのです。
相手の主張と自分の主張を受け入れて、お互いが納得できる道を探す力がつくのです。
大人になったみなさんに、子ども達の様子を知ってもらい「よし、この思いも伝えてみるか。」「次の会議では、意見を発言してみるか。」という思いの背中を押すものとなれば幸いです。
集団だから、相手が居るから出来る事はきっと力を合わせる事で素敵なものが生まれる事と思います。
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